カリグラフィーは、文字を「書く」ことにアートの要素を取り入れた表現方法です。ペン先のかすかな力加減で線に強弱が生まれ、そこに生き生きとした表情が宿ります。メッセージカードやラッピング、ノートの片隅に一文字添えるだけでも、手書きの温かみは受け取った人の心をふっとほどいてくれるかもしれません。
カリグラフィーとは
カリグラフィー(Calligraphy)は、ギリシャ語で「美しい文字」という意味を持つ言葉です。ヨーロッパを中心に発展した書の文化で、西洋の書道と表現されることもあります。特徴的なのは、線の“太さの変化”を生かした優雅なデザイン。特に「カッパープレート体」や「ゴシック体」などは、結婚式の招待状やおしゃれなショップの看板でも見かけることがあります。
最近では、より自由度の高い「モダンカリグラフィー」も人気です。文字の形やリズムを自分らしくアレンジできるため、アートとしての楽しさが広がっています。
道具
カリグラフィーを始めるには、まず専用の道具をいくつかそろえましょう。基本となるのは、「ペンホルダー」「ニブ(ペン先)」「インク」の3つです。
ペンホルダー
ペンホルダーは、まっすぐな「ストレートタイプ」と、ペン先が斜めについた「オブリークタイプ」の2種類があります。初心者にはストレートタイプが扱いやすく、文字のバランスも取りやすいでしょう。
ニブ
ニブは、細く繊細な線が得意な硬めのものから、やわらかくしなりやすいものまでさまざま。筆圧によって書き心地が大きく変わるので、いくつか試して自分に合うものを見つけるのがポイントです。
インク
インクは、最初は扱いやすい水性のブラックがおすすめ。慣れてきたら、ゴールドやメタリック、和の色味を楽しめるカラーインクにも挑戦してみましょう。
スターターキットを活用すれば、必要な道具がひと通りそろい、動画での解説つきで練習もしやすくなりますよ。
始め方
道具の準備ができたら、いよいよカリグラフィーの練習スタートです。まずは「ストローク」と呼ばれる基本の線から始めてみましょう。ペンを上から下へ動かすときは力を入れて太い線に。下から上へ引くときは力を抜いて細く。この筆圧のコントロールが、カリグラフィー特有の美しさを生み出す鍵になります。お手本をなぞる練習から始めるのがおすすめです。
トレーシングペーパーを使えば、線の動きをしっかり手に覚えさせることができます。慣れてきたら、短いフレーズを書いてみましょう。「Thank you」など身近な言葉でも、カリグラフィーで書くと印象が変わります。最初は思うように書けなくても大丈夫。毎日の中に少しずつ取り入れて、自分のペースで楽しんでいくことが、上達への近道です。